商売がたき・・・?いえいえ戦友


     寒い日が続きます。今年、芦原温泉の冬は早く訪れたようです。
     12月としては20年ぶりの大雪だそうです。
     ですが旅館にお越し頂けば心も体もぽっかぽか。皆様忘年会の真っ最中です。

     私たち毎日忙しく皆様のお世話をしているのですが、やはりストレスは・・・溜まります。
     ですから女将だって忘年会やりましたぁ。
     お仕事を済ませてからの集合ですが、お腹の皮がよじれるくらい大盛上がり!
     実は私たちお互い商売がたきのはずなのに、同じ痛みを知る戦友のような存在なのです。
     悲しいですが、女将のことは女将にしかわかってもらえない気がします。

     そうそう、またまた面白いお話ゲットしてきました。
     許可を頂きましたのでご披露します。


   宴会のご挨拶

  いつもは幹事さんが気を利かせてくれたり、皆さんが察してくださったりで事なきを得ます。

 でもなんだか今日は宴会開始10分後なのにもうこの盛り上がり・・・。
 いつもと様子が違います。
 でもあとで挨拶なかったとか言われるのイヤだし・・・と思いながらお部屋の中へ。

 ・・・しばらく待つも静まる気配なし・・・。

 こんな時は、
 「皆様本日はようこそ・・・・・・・・・・・」「どうかごゆっくりお過ごし・・・・・・・・・・・」
 と口パクで反撃、そそくさと退席です。

 聞いてくださらない皆さんがいけないんですからね〜。
 帰り際に「今の誰?」
 絶対に許しませんから〜(泣)



   気づかなかったことにしよう

 ご挨拶はうまくいったことにしましょう。
 そのあと頭を上げた瞬間、目の端に何かが写ったような???

 いました・・・。
 思い切り手を挙げて、手首だけ前後に動かしている方が・・・。
 「来いってことだろうなぁ・・・」
 と思いつつ、あの方は手首の運動しているだけ!と自分に言い聞かせ、「失礼しました〜」
とお部屋を後にしちゃいます。
 すみません、気がつかなかっただけなんです〜。



   忍耐あるのみ

 ご挨拶後、だんだん宴会場も賑やかになってきます。。
 芦原温泉名物「九頭竜太鼓」のステージ中やカラオケが始まった後のお客様との会話は
悩みの種です。
 お客様のお話がほとんど聞こえないのです。
 聞こえないと、「何ですって?」と耳に手を当て、顔を寄せて聞き返したりするのですが
限界もございます。

 こんな時の必殺技は、お客様のお話の相づちに徹することです。
 究極は、にっこり笑い、首を「縦に振る」か「横に振るか」どちらかにします。
 話が噛み合わず「えっ?」といぶかしがる時は逆に振り直してと・・・。

 あはは・・・涙ぐましい努力をしているわけです。



   忍耐はするが限界もある〜

  賑やかな宴会場の中を、お一人ずつお話を伺いながらお酌をしなくてはいけないときも
ございます。
 中には芦原温泉や旅館のためにご意見(・・説教ともいう・・)を切々(・・長々ともいう・・)と
話される方がおられます。
 女将も人間、早めに切り上げたいところです。

 残るお客様の数を心の中でカウントダウン。「あと3人・・あと2人・・・ラスト〜!」
 「・・・へっ?」まだいる・・・違った・・・ま・た・いる。
 お話を済ませたはずのお客様が、再度下座に並ばれていました。
 「もう堪忍して〜」限界です〜



   ランク付け?

 女将もできたらお越し頂くお一人お一人にご挨拶できたらいいなぁとは思っております。
 ですが旅館の規模が大きくなればなるほどそれは不可能というもの。

 「そ〜だなぁ。3年連続で来てくださったら、ゴールドメダル!」
 「そこはお酌に行くかも〜」

 まもなくトリノオリンピックでしたっけ。。。



   女将の健康

 そう言えばお客様が私にお酒を注ぎながら言ってくださるんですよね・・・。
 「体大事にしろや〜」
 ありがとうございます。この頂いたお酒が体には良くない気がします〜。