8年目の米作り 酒造り「女将」   R3.4~12

 令和4年2月・・テレビでは北京オリンピック2022が開催されています。
 残念ながらコロナ禍は続いており、第6波真っただ中です。
 昨年末あたりから感染力の強いオミクロン株に翻弄され、福井県においても連日200人以上の感染者を
出しています。
 なんと表現してよいか・・鬱々とした気持ちの晴れない毎日ですが、明けない夜はない、未来を信じて8年目を
振り返ります。


 まさか令和3年5月も同じ状況であるとだれが予測していたでしょうか?
 GOtoトラベルに加え、11月からふくいdeお得キャンペーンも始まり、団体のお客様はないとしても7年目のお酒も
順調に販売できていた矢先・・12月28日にGOtoトラベルは中止。
 お正月の予約はあっという間に消えてしまいました。
 加えて1月8日から2月末まで10都道府県が緊急事態宣言となり、その先の予約も消え失せました。
 まじめな福井県の県民性でしょうか・・感染も少ない状況下でふくいdeお得キャンペーンは3月末まで(その後
延長)多少なりとも動いていました。
 ですが、4月22日から5月13日まで福井県さえも緊急事態宣言を発令する事態となり、キャンペーンは中止、
新規の予約をとることができず、ゴールデンウイークの予約も再び消え失せてしまいました。
 日本全体に目を向けてみても、感染は収まるどころか、ワクチン接種も開始されたばかりで、医療がひっ迫して
いる府県が多数である状況です。オリンピックはできるのでしょうか・・。

        

 5月25日(火) 田植え

 女将8人とおめでたにつき撮影班の白和荘 優美さんの参加です。
 北陸地方の梅雨入りはまだでしたが、毎日はっきりしない天気ばかり・・。
 ですが当日は陽のさす暖かな日となりました。

 八角の筋付けと直植え、田植え機に2人づつ乗り込んでの作業です。
 交代しながら30アールの田植えを行いました。
 直植えは2年ぶりです。圃場に足を踏み入れた時の感触を久しぶりにうれしいと感じることができました。
 手植えは慣れたもの。苗を受け取ると、人差し指と中指に挟んでまっすぐ挿しこみます。
 あちこちで笑い声が起こり、何ともにぎやかな田植えとなりました。

 
      

 5月26日(水)世界中で、ZoomであったりMicrosoft teamsであったり、急速にリモート化が進む中、女将の会と
して知事とのリモート意見交換会に白和荘女将が参加しました。
 観光業の苦しい現状を聞いていただき、ふくいdeお得キャンペーンの上限引き上げや教育旅行の助成などを
要望しました。
 この「女将」を北陸新幹線敦賀開業まで、芦原温泉開湯140周年まで、またディストネーションキャンペーンを
大いに盛り上げていくために・・。

 5月30日にはあわら温泉街にて聖火リレーが行われました。
 東京オリンピックは果たして開催されるのか?できるのか?そんな思いは内に秘め、精一杯を力走する聖火
ランナーに声援を送りました。

 7月15日にはべにやオープンといううれしいニュースもありました。

 7月23日 東京オリンピック2020開会式 様々なドラマがあり、福井県ゆかりの野球やフェンシングの金メダ
リストが誕生し、結果1年の延期はあったものの感動的な大会となりました。

 
 

 8月31日にはこれも継続的(約10年)に私たちが取り組んでいる「かにがらトマト」を福井新聞さんが取材して
くれました。
 「サステナビリティ」といって、人間・社会・地球環境の持続可能な発展を意味し、SDGsやカーボンニュートラルに
つながることだそうです。
 食べ物を捨てずに使い切る・・酒かすの再利用もサステなことですね。
 これを機会にお揃いのポロシャツを新調。麻王伝兵衛さんのハウスで楽しく撮影。
 今後いろいろな場面で活躍しそうです。

 10月8日(金) 稲刈り

 今年も予定していた6日は朝方あたりから雨が降り続いていました。
 予定時刻の11時には雨は上がるはずなのだけれど・・雨に濡れた稲は扱いづらい・・。
 8時に決断し、8日への延期としました。
 今年の10月はとてつもなく暑く、当日は最高気温が30度近くとなりました。
 5人の女将が圃場に集まりました。関係者の方々も大勢協力に来てくださいました。
 2年ぶりの手狩りは忘れていることも多く、背中中汗だくになりながら、一から勉強しなおしでの作業でした。
 コンバインも動かしてもらいなんとか終了しました。

 ゴールデンウィーク明けのコロナ第4波真っただ中で田植えした稲たちは、まだコロナ禍などと知ることもなく
たわわに実を付けています。
 3回に及ぶ福井県独自の緊急事態宣言を受けて、旅館も思うように稼働できない、7年目のお酒も販売できない
状態が続いています。
 しかし、10月からはキャンペーンも再開され、なんとか販売も上向きになりそうです。
 2回のワクチン接種も目途がつき、罹患される人も減少傾向。
 これから少人数のお客様がメインとはなりますが、「女将」をどんどん販売していくつもりです。
 今年の仕込みは12月から・・仕込み数はもう少し増やそうか・・年内にはお披露目会を・・と圃場で蔵元と打ち
合わせします。 

       

 11月9日(火) ヨーガアドバイザー資格取得 

 11時よりあわら市役所3F正庁においてヨーガアドバイザー認定授与式が行われました。
 私たちは2月3日(水)にあわら市在住の医師であり、伝統的なヨーガの指導やメンタルサポートをされている
齊藤素子先生によるヨーガ体験会を開催しました。
 この体験会を通して、温泉保養士でもある先生のヨーガや予防医学でもあるアーユルヴェーダの説明から、
あわら温泉での活用案を見出しました。
 5月から9月までに3回にわたる講義と実践を行い、ヨーガアドバイザーの認定をいただき、「ウエルネス温泉地
構想」として実践していくこととしました。
 伝統的なヨーガと良質な源泉を誇るあわら温泉を湯治場として活用、体質診断を行い、食事やお酒の飲み方
などをアドバイスしていくことを目指します。
 北陸新幹線敦賀開業までに少しでもこの構想を具現化して「女将」の酒やおもてなしに繋いでいきます。

 
       

 11月16日(火) 初添え 製麹

 10時より、女将6人
 私たちは毎年この工程をとても楽しみにしています。蒸した酒米の匂いや醪の放つ甘い香り・・
 酒造りが始まるなぁと感じます。
 櫂棒を使って撹拌しますが毎年やってもへたくそです。
 ですが初添えの済んだタンクをのぞき込むと、やはりいつも通りなんです。
 フツフツ・・フツフツ・・
 今年も同じ・・おいしいお酒になってねと声をかけて作業を終えます。

 
       

 12月8日(水) 上槽

 女将4人が甘口の初搾りに立ち会いました。
 作業は朝から始まっていて、私たちが到着するころには圧搾機を通してアルコール度数18%の黄金色の原酒が
タンクに注がれてきていました。
 蔵元が原酒を掬う瞬間は緊張です。口に含んでからの講評を待ちます。
 私たちも試飲させていただき、芳醇な香りとみずみずしい酸味が口の中に広がるのをを感じながら蔵元の言葉を
反芻します。
 今年も良い出来となりました。
 今年はテレビ取材が2社もお越しいただいていたので、賑やかに味わうことができました。

 おかげさまで11月12月は本当に各旅館賑わうことができ、このままコロナも落ち着いてくれればいいなと願って
いました。

   

 12月15日(水) お披露目会

 女将8人 若女将1人
 今年も旅館会館でマスコミの皆さんのみお集まりいただきご披露しました。
 甘口1000本辛口2000本合計3000本の新酒ができました。
 今年の設えは「インド」をイメージ。ヨーガから発想を膨らませてお酒と組み合わせてみました。
 みなみ園芸さんはまたまた素敵なお花を創作してくれました。
 インドをイメージするお花はマリーゴールド。バナナの葉にオレンジ色が映えます。
 ヨーガの神様「パタンジャリ」や小物たちで「女将」の酒を彩りました。

 例年通り一年の米作り酒造りを振り返り、蔵元に総合的は講評をいただいて報告させていただきました。
 今年は甘口が今まで以上に爽やかな仕上がりになりました。
 辛口は去年より辛めでひと月後あたりが飲み頃とのこと。
 今年も試飲は取りやめ、お持ち帰りとさせていただきました。
 女将の会会長の挨拶にもありましたが・・この日を迎えられたのは「奇跡」
 マスコミの皆さんには節目節目で記事やニュースにしていただいたことを感謝申し上げます。

     

 10月18日には「若狭マハタ」の試食会、10月26日にはあわら・坂井の若手農家とあわら温泉の調理師が
「福地鶏」を使った炊き込みご飯を開発し、試食が行われました。
 どちらも北陸新幹線敦賀開業に向けて開発された県産ブランドで、あわら温泉の調理師会「芦親会」が協力し、
披露されました。
 福井県の食はあわら温泉が牽引すべく、今後も取り組みが行われていくと思われます。

 12月16日(木)にお客様をお出迎えがてら、女将7人が北陸新幹線芦原温泉駅周辺を視察しました。
 まだまだ工事車両が行きかう状態ですが、確かに私たちの未来はここにあります。


 令和4年1月23日(日)あわら市長選挙が投開票され、森氏が当選、現職の佐々木氏の再選が叶いませんでした。

 前市長とは平成24年7月、福井県観光営業部企画幹としてお会いしてから10年余り・・
 方向性を見いだせない私たちに辛抱強く説き、導き続け、「女将の会」を育てていただきました。
 「女将さん全員で利き酒師の資格取ろう。僕も一緒に取るから!」
 時には不可能に思えるようなことも決して妥協を許さず、私たちを目標に向かうよう仕向けてくださる行動力は
今思えば感謝しかありません。
 共に考えていた北陸新幹線敦賀開業時における芦原温泉駅の賑わいや「ウエルネス温泉地構想」などを
女将の会はぶれることなく推し進めていくつもりです。
 また今後もご助言をいただきたいと思います。


 最後はやはりコロナ・・
 コロナ禍は私たちや従業員、すべての人を疲弊させています。
 終息を願うのか・・共存を選ぶのか・・
 しかし・・心から癒されたい・・
 ヨーガを最大限に活用して、「癒しを求めるならにあわら温泉へ」となるよう様々なことを準備していきたいと
思います。

 次の世代へ繋いでいくために・・これからも頑張ってまいります。